元ノルディック複合日本代表選手である荻原次晴氏によるトークショー『挑戦する力・伝える力・そして生き抜く力』を開催しました
石濱 慎司
国際経営学会主催の講演会に荻原次晴さんをお招きし、経営学関連科目であるコーチング論との共同開催として、トークショーを2024年12月20日に実施しました。
今回の講演会は、コーチング論を履修している学生が司会進行はもとより企画、運営すべてを準備の段階から国際経営学会と協力し、トークショー形式で開催しました。
今回お招きした荻原次晴さんはスキージャンプとクロスカントリースキーの両種目の成績で競い合うノルディック複合日本代表選手として活躍しました。
そして、双子の兄・健司さんと1994年からワールドカップに参戦し、1995年の世界選手権では団体金メダルを獲得しました。
1998年には念願の長野五輪に出場し、入賞を果たしました。
引退後の現在は、スポーツキャスターとしてメディアに多数出演し、オリンピアンの代表格のひとりとして、ウィンタースポーツをはじめ広くスポーツの普及活性に取り組んでいます。
進行は、荻原さんが入場したのち、学生が制作した3分程度の紹介ビデオが流れる予定でありましたが、急遽本人がマイクを持ち、このビデオ映像とジャンプとクロスカントリーで競技をおこなうノルディック複合競技の説明をしていただきました。
第1部の「競技において大変だったこと」の講演テーマでは、双子の兄がオリンピックで金メダルを獲得したことに対して、同じアスリートとして学生時代の劣等感について話をされました。
それは、競技成績ではなく、双子の兄弟で顔がそっくりということもあり、兄の健司とよく間違えられたことでした。
町を歩くとサインや写真を求められ、「弟の次晴です」と断っても人から信用されないことがあり、次第に親や兄に対しても反抗心を持つ期間があったそうです。
そこで、「健司と同じステージにたって、見返してやろう!」という気持ちが芽生え、オリンピックを目指すことになりました。
一度目の挑戦は出場に手が届きませんでしたが、どうしたらあのステージに立てるのかということを「脳みそに汗をかきながら」必死に考えました。
これまではコーチや健司さんのもらった練習メニューをただこなしていただけのものから、自分で何が足りないか、ということをオリンピックから逆算して考えるようになっていきました。
そして、絶対オリンピックに出場したい気持ちがモチベーションとなり、いつの間にか、見返してやろうという気持ちを忘れていたのでした。
そこには、がむしゃらにオリンピックを目指している次晴がいました。
1998年に念願の長野オリンピックに出場することができ、クロスカントリー競技でレース終盤に健司と競い合いゴールをしました。
競技中の「次晴がんばれ!」の声援が、今まで思い描いていた、「次晴のことを知ってもらいたい」、「あの時のことを見返してやりたい」という気持ちが達成された瞬間でした。
そして、次のステージであるスポーツキャスターへの道に進むこととなりました。
そこでは、松岡修造さんが熱い4 4 キャラクターでスポーツキャスターとして成功しているので、荻原さんは、違う路線で活路を見出すことを考えました。
今は、様々なアスリートにフォーカスし、ミディアムホットなキャスターを目指しているということでありました。
第2部では「次晴の部屋」というテーマで学生が司会進行となり、トークショー形式で実施されました。
ひとつ目の質問は、ゴルフの飛距離を競うドライビングコンテストに出場している女子学生から、競技選手をやりつつ、運営にも携わりたいがどうしたらよいかという悩みについてでした。
それに対して、「両立してやった方が良い、できる人間は一つしかできないことはないし、今後の社会への勉強として考えると今から準備しておいた方が良い」とのことでした。
ふたつ目は、剣道部の学生が試合で緊張してしまう悩みでした。
それには、「オリンピック選手もみんな緊張してガチガチだよ。緊張していることを言葉にしていいんだよ。緊張を口から吐くといいよ。+しか残らないから(漢字で吐は、口から-をとると+になる)。あとはなるようになるから」と答えられ、本人だけではなく、客席からなるほどとという声も聞かれました。
トークショーを通して会場の学生からは、「生きていくのにすごくためになった」、「落ち込んでいるときは這い上がるチャンスだ」、「スポーツキャスターなので話の進め方、話し方がすごくうまくて、あっという間の1時間半でした」、「私が今経験していることは将来の大きな財産になる」など多くの声があがりました。
また、今回の企画、運営面を担当した学生からは、「司会進行などキャスターならではの対応など学ぶ点があった」、「準備が大変だったが達成感があった」などの感想がありました。今回の企画を通して学生には、良い経験になったと感じております。
最後に当日は荻原次晴さんの55歳の誕生日であり、花束とケーキをお渡しして締めくくりました。