| 企画名 | 地域の味、丸ごとコッペ |
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| 団体名 | 石濱ゼミ |
| 代表 | 内山 翠 |
| メンバー | 東 美羽、平澤 依大、秋元 駿汰 |
1.企画背景
神奈川県には地域に根ざした食材や食文化が数多く存在しているが、若者がそれらを改めて意識し、体験する機会は必ずしも多くない。特に、日常生活の中で自然に消費されている食材については、地域性や魅力が十分に認識されないまま利用されている現状がある。
そこで本企画では、若者にとって親しみやすく、手軽に購入・体験できる商品形態としてコッペパンに着目した。コッペパン店コッペ亭との連携を通じて、神奈川県の食材を活用した商品を企画・販売することで、若者の視点から地域食材への関心を高めることを目的とした。
また、本企画は商品提案に留まらず、商品企画、試作、製造工程の理解、販売までを一貫して行う実践型の取り組みとして位置づけ、地域と連携した商品開発の可能性を検証することを企図した。
2.企画目的
本企画の目的は、神奈川県の食材を活用した商品を若者の視点で企画・販売することにより、地域食材への関心喚起につなげることである。加えて、コッペ亭との協働を通じて、学生主体による商品開発および販売のプロセスを実践的に経験し、将来的な正式コラボレーションに向けた検討材料を得ることを目的とした。
3.実施内容
1)角煮コッペの試作・検討
学園祭で販売する角煮コッペについては、企画初期段階から複数回の試作を行った。初期段階では、見た目や形状に過度にこだわらず、味の完成度を最優先とし、角煮のおいしさや味付けのバランスを確認することを目的とした。
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図1 角煮の調理工程 -
図2 角煮試作①味のみ意識
その後の試作では、商品としての完成度を高めるため、角煮と相性の良い具材やトッピングを検討し、全体の色合いや視認性にも配慮した構成へと段階的に改良を行った。
さらに、学園祭という場の特性を踏まえ、商品の大きさや食べやすさについても検討を行った。来場者が複数の商品を回遊しながら楽しむことを想定し、過度にボリュームのあるパンは一つの商品で満腹になってしまうと判断した。そのため、角煮コッペは丸パンでの提供とし、食べ歩きしやすいサイズ感を重視した設計とした。
2)コッペ亭工場訪問
試作で得られた知見を踏まえ、企画理解をさらに深めるため、2023年10月22日に岐阜県羽島市にあるコッペ亭の工場を訪問した。現地では、パンの製造工程を見学し、製造体制や品質管理、商品づくりに対する考え方について説明を受けた。
また、学園祭で販売予定であった既存商品の一部については、餡を包む作業から梱包、発送準備までを実際に行い、商品が完成し提供されるまでの一連の流れを体験した。この工程を通じて、製造現場における工夫や手作業による商品づくりの特徴について理解を深めた。
図5 コッペ亭工場体験の様子
3)学園祭での販売実施
- 実施日:11月1日、11月2日
- 実施場所:神奈川大学みなとみらいキャンパス
- 販売形態:コッペ亭から仕入れたパンを使用し、会場内で調理・提供
販売商品および実績
- 角煮コッペ:500円/130個
- つぶあんコッペ:300円/60個
- 梨ジャムコッペ:300円/60個
販売期間中、角煮コッペは特に来場者の反応が良く、販売開始から約3時間で完売した。
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図6 学園祭の様子 -
図7 当日の完成品
4.結果・考察
本企画を通じて、学園祭という場において商品としての需要を一定程度確認することができた。一方で、神奈川県の食材そのものへの認知向上という点では、十分な成果を得るには至らなかった。来場者は味や価格といった即時的な価値を重視して購入する傾向が強く、地域性を伝えるための情報提示や導線設計が不十分であったことが要因として考えられる。
また、学生主体で調理・提供を行う形式では、保存管理や提供方法などの面で商品化に向けた課題も明らかになった。しかし、商品企画から試作、製造工程の理解、販売までを一貫して経験できたことは、地域と連携した商品開発の実践例として有意義であり、今後の継続的な取り組みに向けた基礎的な知見を得ることができた。
5.謝辞
本企画の実施にあたり、多大なるご協力を賜ったコッペ亭のみなさま、ならびに本活動を支援していただいた神奈川大学国際経営学会および関係者のみなさまに、心より御礼申し上げます。