企画 | いいなぎリボン企画 |
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団体名 | 石濱ゼミ |
代表 | 真栄城 光央 |
メンバー | 繪幡 透真・篠 龍之介・樋口 温大・水島 有朗・村田 涼 |
1.企画背景
稲城市では贈答品として使われる梨が栽培されている。しかし、収穫前に落果、または形や大きさにばらつきなどの理由で、通常の市場では販売ができず、廃棄される規格外品の梨が大量にあるということ、また農家自体の数が減少していることが梨農家さんの現状・課題として挙げられる。今回はこの課題に着目し、私たちは稲城の梨の規格外品を原料にクラフトビール 「稲城Re:Pear
ft. 神大」の製造を企画し、企画名を「Re-Born
プロジェクト」と名付けた。
なお、この企画は昨年度の先輩方の「いいなぎプロジェクト」を一部引き継いでおこなった活動である。
2.企画目的
この企画の目的は、生産者の梨への想いを梨ビールである「稲城Re:Pearft.神大」に込めて、稲城のプチ名物としてリボーンすることである。 そして、この規格外品の梨を活用した商品を稲城市のプチ名物としてリボーンすることで、梨農家にスポットライトが当たり、梨農家の減少と廃棄されてしまう規格外品の梨が大量にあるという2つの課題が解決できると考える。 また、SDGsの観点では、廃棄されてしまう梨を減らすことでSDGs12のつくる責任、つかう責任に貢献することを目的としている。

3.実証実験
今企画を進めていく上で、稲城市矢野口の梨農家さんにご協力いただき、提供していただいた規格外品の梨を用いて、以下の実証実験をおこなった。
①南部線ビアマルシェ 実施日:
実施日:9月20、21日
目的は、10月下旬に完成するビールの宣伝と製造費を賄うための資金を得ることである。
このイベントでは稲城市観光協会のご協力のもと、昨年の先輩方が考案した梨とソーセージのソテーを販売した。
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図2 南武線ビアマルシェ当日の様子 -
図3 梨とソーセージのソテー
②試飲会
実施日:10月26日
目的は、完成したビールを地域の方々に飲んでいただき、梨の魅力を伝えることである。
この試飲会では、稲城市矢野口にある地下ダイニング&カフェつどいさんにご協力していただいた。
ビール製造にご協力いただいた農家の方や醸造所の方をはじめとして、稲城市やその周辺に在住されている方をご招待し、完成したビールを飲んでいただき、ご意見やご感想などをお伺いするためのアンケートにご回答いただいた。
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図4 試飲会当日の様子 -
図5 完成したビール
③向陽台龍の池イルミネーション
実施日:11月23日
目的は、できる限り自分たちの手で機材の用意から販売までをおこなうことである。
このイベントでは、地下ダイニング&カフェつどいさんからキッチンカーをお借りし、梨ビールと梨とソーセージのソテーを販売した。
また、試飲会と同様に、ビールを飲んでいただいた方にはアンケートにご回答いただいた。
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図6 アンケートのQRコードを添付した自作のコースター
4.結果・考察
今回の活動では、それほど利益を出すことができなかった。その要因として、10月後半に完成、11月からの販売であったため、寒い時期の屋外のイベントしか出店できず、ビールの売れ行きが悪かったという点がある。
そのため、今後は夏の時期にも販売できるように、早めの仕込み、または別の果物でビールを作るということも考えていきたい。
また、今回は稲城市の方を主なターゲットとしたが、プチ名物とするためには稲城市外の人にも宣伝、販売していく必要があると考える。
そして、最終的には日本全国にまでターゲットを広げていきたい。
一方、アンケートでは多くの方から好意的なご回答をいただき、お店以外でも飲めるようにしてほしいというご意見もいただいた。
ただ、もう少し梨のフレーバー感があった方がいいなどの改善点も見つかった。
そのため、このアンケートから次に繋げることとして、カットした梨をビールに入れて、味の変化を楽しめるようにする。
また、どこでも飲めるように瓶でも提供することの2つがあげられた。
その他にも、この企画ではビール醸造の際にモルト粕が大量に出ることに気づいた。
本来はこのモルト粕は廃棄されるものだが、これらには豊富な栄養素が含まれている。
そのため、このモルト粕を農家の方に提供し、肥料として再利用していただくことで、SDGs12にさらに貢献できると考える。

5.最後に
タマリズムコンテストと神奈川大学経営学部インターゼミナール大会に出場した。 昨年度の先輩方のような賞はいただけなかったものの、企画・活動の経験は非常に有意義なものとなった。
6.謝辞
今回の「いいなぎリボン企画」における実証実験にあたり、「学生研究・調査・開発活動支援」に採択していただいた神奈川大学国際経営学会、稲城市のみなさま、稲田堤麦酒醸造所に御礼を申し上げます。